金網は越えられない!!
前話から数日後と見られる初夏、いまだに響子に口をきいてもらえないでいる五代。死んだ夫に操を立て、頑なに五代の好意を拒んでいる響子を見かね、近所の主婦たちは響子を一の瀬とともに近所のテニススクールへと誘う。
スクール入会当日、待っていたのは主婦たちに圧倒的人気を誇るコーチの「三鷹瞬」だった。三鷹目当てで入会している者も多数いるこのスクールでは、学生時代テニス部だった響子の実力はひとつ抜き出ており、三鷹からも生徒として、女性として、両方の意味で目をかけられる。その様子を自転車氷配達のバイト中に金網越しに見かける五代。響子のプレー姿や、三鷹の響子への態度に時を忘れ金網に張り付きっぱなし。配達中の氷は全て溶けてしまい、バイトはクビになってしまう。
帰宅した五代は一刻館の玄関先で、三鷹の車で送迎される響子を目撃してしまう。汗を流し精神的余裕ができた響子からは数日振りに声をかけられるも、三鷹への対抗心からかクールなそぶりで応対する五代。顔には金網の跡がしっかりとついていることも知らずに。
考察など
五代の恋のライバル三鷹が初登場。恋敵としては実にありがちな設定が、読者にこれから五代のライバルとなる人物だということを強く印象付ける。五代自身やその他の人物も今後三鷹をライバルだと思い物語が進行していくが、五代の真のライバルは惣一郎なのである。
日時
昭和56年(五代が20歳の年) 初夏
初登場
三鷹瞬
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