三鷹(見たか)、五代!!

響子の様子や服装を見て、男ができたと憶測する朱美。それを聞いた五代の脳裏に浮かぶのは当然三鷹の顔であり、四谷と一緒にテニススクールの練習を金網越しに見学に行くことに。

テニススクールに入会し数週間経ったと思われる響子を、以前に比べ明るくなったと近所の主婦たちは評価する。響子自身もそれを実感しており、「惣一郎さんと出会った頃の私に戻れそう」と独白し、いきいきとした様子。

練習後、一の瀬は面白半分で響子に三鷹をお茶に誘わせ、四谷と五代にも声をかけ参加させる。泥酔した五代の告白の話題を出し、場を盛り上げようとする一の瀬。あせる響子だが、五代は三鷹の手前、堂々と響子が好きだと言い張る。

いてもたってもいられなくなった響子はその場を立ち去るが、後から追いかけてきた三鷹と二人きりに。「好きだと言われることはそんなに困ることなのか?」と問いかける三鷹に対し、響子は自分が未亡人であることを打ち明ける。そんな響子に三鷹は「気長に待つ」と暗に告白するのであった。


考察など

三鷹への虚勢もあるが、五代は初めてシラフで響子に告白する。

「私が忘れたら惣一郎さんは本当に死んでしまう」というのが現在の響子の想い。これはこれから先しばらくの間変化することはない。

「相当時間がかかりそうですね、ま、僕は気の長いほうだから」と暗に告白する三鷹であったが、三鷹の「惣一郎を忘れるまで待つ」というスタンスもこの先変わることはない。この考えは響子の惣一郎への想いとは本質的にずれてしまっているため、ここが五代と三鷹の決定的な違いになったと考えられる。


日時

昭和56年(五代が20歳の年) 夏